フッ素って何?身体に悪いもの?
「フッ素で虫歯予防」や「フッ素で歯を強化」など聞いたことがある方は多くいらっしゃると思います。
フッ素商品の種類は、歯磨き粉やフッ素ジェル・スプレーなどが売っています。
学校や幼稚園・保育所でもフッ素洗口が行われている所がありますよね。
そもそもフッ素は歯に良いと言うことは分かりますが、フッ素自体がなにかご存知の方は少ないでしょう。
そして「フッ素は体に悪い?」などと、耳にしたこともあるかと思います。
では「フッ素って何か?」「体には悪いのか?」を詳しくご説明していきます。
フッ素って何?
フッ素とは自然界に存在する、天然の元素です。本当はフッ素化合物のことで、私達は略してフッ素と呼んでいます。
フッ素は単体では毒性が強く、フッ素化合物になると極端に安全性の高い安定した物に変身します。
フッ素は食品や川の水・海水・井戸水などあらゆるものに入っていて、知らないうちに私たちは生活の中で摂取しています。
フッ素の3つ効果
フッ素には歯を強くして、虫歯予防をする効果があります。
フッ素の効果は次の通りです。
- 再石灰化の促進
- 耐酸性・結晶性の向上
- 抗菌・酵素作用
よくわからないですよね??
1番の効果を簡単に説明すると、乳歯や生えたての永久歯はタケノコだと思ってください。
タケノコはそのままでも竹には成長しますし、竹は硬いです。しかし、タケノコの状態の歯にフッ素を塗ってあげると、よりしっかりとした、より硬い竹へと成長してくれる。
フッ素はそのような効果があると思ってください。
では次に3つの効果について、詳しくご説明します。
再石灰化の促進
唾液中のカルシウム・リンなどのミネラルを、歯にくっつけます。虫歯菌が出した酸で溶かされた歯のミネラルを、唾液中から取り込むことで初期虫歯を修復します。
耐酸性・結晶性の向上
歯のエナメル質の成分はリン酸カルシウムで、「ハイドロキシアパタイト」といわれる結晶を作ります。このハイドロキシアパタイトは、酸に弱く虫歯になりやすい性質です。
フッ素が歯に作用すると歯質が、「フルオロアパタイト」という結晶構造に変化します。フルオロアパタイトは非常に安定した結晶構造で、歯は強化され酸に強い歯質になります。
虫歯菌の活動抑制
フッ素自体に抗菌効果があるのと、虫歯菌が酸を作ることを抑制する効果があります。
フッ素はやるべき?
実験でフッ素を卵に塗ったものと塗っていない卵を、酸性の液体に浸した実験を見たことがあります。
結果はフッ素塗った卵の殻の表面は溶けていなく硬いままでした。
フッ素を塗っていない卵の殻は溶けていて、表面がブヨブヨとしていました。
卵の殻がブヨブヨになったものと、フッ素を塗って表面が守られている卵の結果を見て、フッ素は確実に歯を守り強化すると言うことがはっきりと分かりました。
歯は虫歯菌が作り出す、酸によって溶かされます。
フッ素を塗る事で、歯を守り強化していくことは重要です。
フッ素は体に悪いの?
フッ素は最初に説明したとおり自然界に多くあり、私たちも知らないうちに摂取しています。
薬と同じで大量に摂取すると中毒になるように、フッ素も大量に摂取すれば毒です。
アルコールも大量に摂取すると、アルコール中毒になるのと同じです。
フッ素は適正な容量を守れば問題ありませんし、体に悪い物ではないのです。
日常生活において、フッ素を大量に摂取することは無いので心配いりません。
フッ素入りの歯磨き粉やフッ素洗口液、歯科医院でのフッ素塗布は容量が適正ですので大丈夫です。
フッ素洗口をしてお口の中に残るフッ素の量は、お茶2杯分くらいですから全く問題ないことが分かります。
フッ素はいつから?
フッ素は、生えたての歯に使用するのが最も効果的です。
乳歯が生えた6か月頃から永久歯が生え揃う中学生くらいまでの時期に、フッ素塗布を行うことが1番効き目があります。
学校でフッ素洗口をしていても、歯科検診で更にフッ素塗布をしても問題はありません。
学校のフッ素洗口で使われるフッ素の濃度は低いですし、フッ素入りの歯磨き粉の濃度も低いのです。
赤ちゃんは歯磨き粉を使ったりフッ素洗口をするのは難しいので、歯が生えたら歯科検診の度に歯医者さんでフッ素塗布をしてもらいましょう。
また、フッ素入りの歯磨きジェルなら塗った後ゆすがなくてもよいので、小さなお子様には効果的です。
大人にもフッ素!
年を重ねると、歯の根元が露出してくる方が多くいます。露出した歯の根元は柔らかく虫歯になりやすいのと、冷たい物がしみる知覚過敏の症状が現れます。
フッ素使用することで歯の根元を強化し、虫歯になりにくくしみない歯にします。
フッ素は是非、歯の根元が露出した大人の方にも使って欲しいと思います。
最近では根面の虫歯予防に特化した歯磨き粉も販売されています。
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フッ素の使い方
フッ素の使い方は歯科医院で塗布する「プロフェッショナルケア」と、自宅で自らケアする「ホームケア」の2種類があります。
それぞれのケアの仕方の違いをご説明します。
プロフェッショナルケア
歯科検診では「PMTC」と言って、プロフェッショナル(歯科医師・歯科衛生士)が専用の器具・機械を用いて行うクリーニングがあります。
「PMTC」のすごい所は歯をキレイにするだけではなく、細菌層の塊までも破壊し虫歯や歯周病から歯を守ります。
そして「PMTC」後にフッ素を塗布することで、より一層フッ素の効果が高まります。
ホームケア
自宅で以下のフッ素グッズを使って、ホームケアできます。
- フッ素入りの歯磨き粉
- フッ素ジェル
- フッ素洗口
次に詳しい使い方をご説明します。
フッ素入りの歯磨き粉の使い方
フッ素入りの歯磨き粉を使った場合、フッ素を長く口の中にため込みたいので3分間は磨きましょう。
歯磨き粉の量が多くては、直ぐに溜まった唾液を吐き出してたくなるので、量は小豆大程度が良いでしょう。
すすぎは取り入れたフッ素が流されないように、おちょこ一杯分くらいの少ない水で、ブクブクしないように軽くすすぎましょう。
この歯ブラシの後はあまりゆすがないことがフッ素の効果を得る重要なポイントです。
フッ素入りの歯磨き粉は、朝昼晩の3回使うと効果的です。使用後は1時間~2時間、飲食を控えるのが理想です。
フッ素ジェルの使い方
フッ素ジェルは歯磨き粉と歯違い、清掃効果はありませんので注意して下さい。
歯を磨いた後に指や歯ブラシで、歯の全体に塗って使用します。
塗った後は、ゆすがず、30分は飲食しないようにしてください。
歯がしみる知覚過敏症に方にも、おすすめの商品です。
ジェルタイプのフッ素の方が種類が多いですが、スプレータイプのフッ素も売っています。
フッ素洗口
これは学校や幼稚園・保育所などで行う方法で濃度は低く安全ですし、継続して行うことで効果がより一層発揮されます。
自宅で出来るフッ素洗口液もあります。
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あまりドラックストアーなどでは販売されてなく、ジェルタイプや歯磨き粉が主流になります。
まとめ
日頃からフッ素を使っている子といない子では、虫歯になる確率が60%も違うと言う報告が出ています。
虫歯は1度なると虫歯菌が停滞し増えて、更に虫歯になりやすい口腔環境になってしまいます。
フッ素は歯を強くし虫歯菌の活動を抑制し、初期虫歯を修復すると言う素晴らしい効果を持っています。
子供からお年寄りまでフッ素を使って、歯の健康を守りたいですね。