睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?(SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠障害の一種で、眠っている間に無呼吸の状態になってしまう病気です。

何らかの理由で気道が狭くなったり、閉じたりすることにより呼吸が浅くなる、止まる、いびきをかくなどの症状が繰り返され、7時間の睡眠の間に30回以上、10秒以上の呼吸停止がある人は、睡眠時無呼吸症候群であると診断されます。寝ているときの様子は自分ではなかなか気づくことができないため、潜在患者が多くいると言われている病気です。

一般的には肥満体質の人が、首周りの脂肪沈着のために気道が狭くなり、発症する場合が多いと言われていますが、アデノイドの肥大や、先天的に下顎が小さいこと、女性の場合はホルモンの分泌量などが影響して発症することなどもあります。

原因は、呼吸の指令をだす脳に障害が起きて引き起こされる中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)と、気道が閉塞して呼吸が止まる閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の2つに分類され、ほとんどの場合はOSASであると言われています。

睡眠時無呼吸症候群になるとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群になると、呼吸が止まるたびに眠りが浅くなってしまうため、十分な睡眠を取ることができず日中に著しい眠気を感じ、それに伴い判断力や集中力の低下が引き起こされます。

起床時に頭痛がしたり、長期間にわたり睡眠の質が低下するため、性格の変化が見られたりするなどと言われています。他にも体内に二酸化炭素が滞り酸欠状態になってしまったり、呼吸が戻り急激に酸素量が上がることで、血中に活性酸素が発生し、血管にダメージを与えたり、インスリンの分泌にも影響が出るため、心臓や肺などの循環器や脳にも負担がかかってしまい、脳卒中や糖尿病、高血圧、心筋梗塞などのリスクが高まるばかりか、突然死の原因になるとも言われていますので、少しでもあれっ?と思ったら疲労が蓄積し、体への負担が増える前に医療機関を受診することをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群により昼間に眠くなる

睡眠時無呼吸低呼吸症候群のチェック方法

睡眠時無呼吸症候群かどうかを判断するには、耳鼻科や呼吸器科などの医療機関を受診し、問診を受ける必要があります。

最も望ましいのは睡眠外来に行くことでしょう。そこで睡眠習慣や質、昼間の眠気はどの程度か、精神的なストレスの有無などのチェック、そして睡眠時の異常を評価するPSGと呼ばれるものや、日中の眠気の度合いを評価するMSLT、MWTなどの各種検査を受けます。その後顎の位置関係や口の中の歯列弓、舌の大きさなどを確認し、CTスキャンやMRIなど、画像検査も行います。

睡眠時無呼吸症候群であると判断された場合、治療の種類は生活習慣の改善、歯科装具治療、内科的治療、外科的治療などの数種類に分類されます。

最も多くの場合である肥満体質が原因と認められた場合は減量療法が有効な手段となり、食事療法、運動療法などを積極的に生活に取り組んでいくことで対処していきます。

それ以外が原因である場合、歯列にマウスピースを装着し顎の位置関係を固定することにより通気性を改善させる、スリープスプリントと呼ばれる方法や、CPAP療法と呼ばれる気道を広げる方法、アデノイドの切除手術、喉を広げる手術など、原因や状態に合わせた適切な治療法を取ります。

睡眠時無呼吸低呼吸症候群の対策

睡眠時無呼吸症候群は、上で述べたようにほとんどの場合肥満が発症の原因です。

また、普段はそんなことないのに、お酒を飲んだ日だけはいびきをかいてしまうという人も、飲酒すると筋肉が弛緩するため首回りの上気道を支える筋肉も緩み、それが原因で呼吸が止まってしまうということもあります。基本的には適正体重を維持すること、そして生活習慣を整え、定常的な飲酒、寝酒を控えることが重要です。

しかし、それ以外に骨格や顎の形などに原因がある場合、体重や飲酒の頻度をコントロールしても症状は改善しません。できる範囲で気をつけながら生活し、それでも症状が改善しない場合は、症状が重篤なものになる前に早めに医療機関にかかりましょう。

また、最初にお話ししたように、睡眠時無呼吸症候群はなかなか自分では自覚しにくい病気ですので、家族やパートナーにその疑いがある場合は早期発見のために受診を勧め、寝ている時の様子を説明するために受診に同伴するなどしてみてください。